お家を建てる際に、出来るだけご親族の近くに家を建てたい
希望される方は少なくありません。

もし、共働きになった際にご実家が近ければ、
お子さんの事やお家の事等を任せる事が出来て
安心ですよね。

中には、ご実家が建っている敷地がとても広いので
その隣に、新築を建てたいと言われる方もいらっしゃいます。

しかし、その場合は何点か気を付けておかなければ
いけない事があります。

今回は、その点をお伝えしていきます。

まず、お家を建てる上で大前提となるのが、
一つの敷地に対して、建てられる住宅は1軒のみとなります。

どんなに敷地が広く、お庭スペースが手に余る状態でも
その点は、決して変わりません。

そうなると、母屋の隣に家を建てる事は不可能なのかと
思われてしまいそうですが、方法はあります。

それは、大きな一つの敷地を2つに分ける事です。


絵で見ると簡単な事のように思えますが、
敷地を分ける為には敷地全体を測量しないといけません。
敷地の測量は一般の方が簡単に出来る事ではないので
プロの測量士に頼む必要があります。

当然その為の費用も発生します。

また、敷地を2つに分ける際にも、
気を付けておかないといけない点があります。

それは道路との接道状況です。

お家を建てる為には、建築予定地である敷地が
建築基準法上の道路に2m以上接していないといけません。

広い敷地であれば、大抵の場合、2m以上の接道はあると思いますが
下図のような状態の場合、2つの敷地で2m以上の接道がとれないかもしれません。

もしこの状態に近い場合であれば事前に専門業者に相談を
しておきましょう。

また最初にお話した、土地を2つに分ける方法についてですが
測量などをしてあまりお金をかけたくないとお考えの方には、
敷地を分けるのではなく、敷地内に分割ラインを入れるという方法があります。

この方法は、敷地図を設計士が作成した際に、
敷地にラインを入れるだけなので、別段費用が必要という訳ではありません。

ですが、ここでも注意点が一つございます。

それは、住宅ローンを組んだ時です。
ローンを組む際には、万が一お客様がローンの支払いが
滞ってしまった時のリスクを考え、土地と建物に
「担保設定」をします。

「担保設定」とは、もしもの時は銀行が土地と建物を
差し押さえる為の手続きになります。

敷地に分割ラインを入れる方法で母屋の隣に家を
建てた場合、敷地にラインを引いただけでは
母屋が建っている敷地と母屋自体も一緒に差し押さえの対象になります。

リスクを考えて、お金が掛かっても、敷地を2つに分けておくか
ご家族連帯責任という事で費用を抑えて分割ラインを引くだけにするか
その点は、ご家族でよくよく話し合ってください。

「担保設定」には、もう一点気を付ける点があります。

それは、母屋とその敷地にすでに担保設定が掛けられていた!
という場合です。

要は、親御さん達がご自分の自宅を担保にお借入れをされていた場合です。

この場合、この担保設定を外さないと、勝手に隣に家を建てる事も
厳しくなります。

担保を消す為の自己資金を親御さんが所持しているのか?
深いところまで気にしていかないといけません。

親御さんが近くに居てくれる事は、ご夫婦からしたら
仕事もしやすくなり、お子様の事も任せる事が
出来る為、利点も多いですが、もし、お隣にお家を建てるご計画を
ご検討されている場合は、上記の事は必ずチェックするように
してください。