住むのは二人だし、あんまり予算をかけたくないんで
20坪くらいの平屋にしようと思ってるんだけど・・・。
2階建は贅沢だから、小さな平屋で計画したい・・・。
そんなお話を、住宅展示場でよく耳にします。
しかし、住宅会社の営業マンの答えを聞いてビックリ!
『なんで平屋が高いの~?』
『借家の一戸建てって平屋が多くなかったっけ?』
なんて、次々に疑問が湧いてきますよね。
平屋建てが実は高級住宅だったってことを始めて知ったあなたに、
その理由をいくつかお話してみたいと思います。
住宅の建築費は、同程度の仕様で比較するなら、
坪数が大きくなればなるほど、高くなっていくのはご存知の通りです。
同じように面積を減らしていけば、価格は当然下がります。
しかし、平屋と2階建てを比較した場合、答えは大きく変わってきます。
例えば、平屋の30坪と2階建て(総2階)の35坪の建築費が
同額になってしまうという現象がおこるのです。
どうしてそういうことが起こるのでしょう?
その理由は大きく分けて2つあります。
住宅を建てる場合、基礎工事が必ず必要になるのはご存知ですよね。
平屋の30坪と2階建て(総2階)の35坪の建物で考えてみましょう。
基礎をする面積を比較してみると、平屋はそのまま30坪ですが
2階建て(総2階)の場合2/35となり、基礎をする面積は17.5坪になります。
どうです?基礎工事をする面積が、
平屋の場合、2階建ての1.7倍ほどになっているのがわかりますよね。
基礎工事にかかる費用は、建物の総工事額のかなりのウェートを占めます。
その基礎工事にかかる金額が、そのまま差となって平屋建てを高額(割高)に
してしまうのです。
もう一つの要因は、基礎と同じような考え方で、屋根の面積です。
もうお分かりですよね。屋根も平屋建てが、2階建ての1.7倍になるんです。
屋根工事もかなりのウェートをもって住宅の工事金額を左右します。
基礎工事と屋根工事の面積が、平屋建ては最高になってしまい
建築費が高騰してしまうのです。
2階建てでも2階部分が小さくなっていけばいくほど、平屋建てとの
建築費の差は、少なくなっていきます。
その2階がなくなってしまったのが、平屋だと考えてもよいでしょう。
では、借家に平屋建てのお家が多いのは何故でしょう?
はっきりした答えは私も分かりませんが、
借家に多い14~15坪の間取りを2階建で作っていくと、
2階の部分が小さくなって割高感が増し、平屋とそう変わらなくなってくることと、
使いづらい間取りになることが原因ではないかと思っています。
もしかしたら、大工さんや工務店の坪単価設定が、平屋建てを基本にして
割高設定で作ってあったとしたら、どちらを建てても損はしない訳で、
また納得ですが・・・。
ほとんど【どんぶり勘定】だった、昔の建築費の出し方のなごりでしょうか。
これから建てられる借家に、平屋建てはなくなっていくことでしょうね。