建物を建てる時の『建て方』には本当に種類がたくさんあって
構造の違いもあれば、『形状』にも違いがあるので検討して
おられる方は、よほど詳しくない限り難しい事だと思います。
今回の記事は、その建物の『形状』について書こうと思います。
形状とは言っても四角形やL型、コの字型などの話ではなく
上下間の大きさの違いについての記事です。
さて、タイトルにもあるように
『総二階建て』はオススメなんでしょうか?
そもそも『総二階建て』とはどんな建て方なのか?
1階と2階が全く同じ大きさの建物を総二階と呼ぶのですが
当然、良い事も良くない事もあるんです。
まずは良い所を紹介しましょう。
①敷地面積を有効利用できる
②シンプルな形状のため、コストダウンにつながる
③上下階の壁が揃いやすく、強い!
大きくはこんなメリットがあるんです。
特に①なんかは敷地の大きさが十分ではない時には
駐車場確保のために効果的だと思います。
逆にどんなデメリットがあるのでしょうか?
①四角形の形状になり、デザインが難しい。
②2階が大きくなってしまう・・・。
ここで結論を。
『総二階建て』の方がオススメなのか?
総二階建ては、良い所も多々ありますが・・・
デメリットの②
2階が大きくなってしまう・・・
この理由から、個人的はオススメしていないんです。
最近は寝室や子ども部屋はあまり大きくなくて良いので
その分LDKを広くして欲しい・・・という要望が多く
個人的にも皆さんが集う場所が大きい方が良いだろうと思います。
もし建物が1階、2階で35坪の場合。大きさは平均的ですよね?
総二階であれば、単純に考えたら上下ともに17.5坪。
つまり57.85㎡となるのですが・・・
最近の間取りのご要望で多い事。例えば
シューズクロークやパントリーを採用してLDKは
20帖近くほしくて・・・おそらくどこかに必ず皺寄せがきます。
逆を言えば、1階において上記要望を叶えた場合は
きっと寝室は10帖超えて、子ども部屋も8帖を超えた贅沢な
空間になって、全体では40坪くらいに大きくなってしまいます。
もちろん大きいに越した事はないのでしょうが、大きくなれば
当然予算に直結してきます。
1階は希望通り、2階は希望より大きくて予算オーバーなのであれば
僕は、1階も2階も希望通り、総二階じゃないけど予算内・・・
こっちをオススメしたくなってしまいます。
総二階をオススメしている住宅メーカーさんの常套句もいくつか。
①総二階の方が強い
②総二階の方が安くなる
これにも若干の違和感を覚えるのですが・・・
①総二階の方が強い
これは確かに強くなると言えます。四隅に通し柱が入り、
外周の壁も上下で揃うので間違いなく強くなります。
しかし、逆を言えば総二階じゃなかったら弱いのか?
そうではありません。総二階じゃなくても強くできるんです。
どちらか言えば総二階じゃない建物の方が多いはずです。
希望の大きさで作成した間取りが総二階じゃなくても
強くなる建て方ができればそれが良いのではないでしょうか?
②総二階の方が安い
このフレーズが一番違和感を覚えるんです。これをもっと正確に言えば
『総二階の方が、坪単価が安くなる』となるんです。
例えば35坪の建物だった場合、さっきと同じですが
総二階の場合は1階、2階ともに17.5坪になります。
これがシューズクロークなど要望をいれた間取りが
1階部分が20坪、寝室や子ども部屋を少し小さくして
2階部分が15坪の場合、合計は同じ35坪ですが・・・
建物の総額は総二階の方が安くなるんです。
でも安いからと言って、シューズクロークもなくて
LDKも17帖、パントリーもない希望と違う建物が良いですか?
希望通りの1階は20坪、じゃあ2階も大きくして
総二階の40坪にしたらどうなの?
坪単価は安いのですが、総額は総二階じゃない35坪より・・・
高くなってしまうんです。
形は違えど、大きくなって安くなるなんて事はないんですね(^-^)
いかがでしょうか?
色々な考え方があるので、一概にどっちが・・・というわけでは
ありませんし、吹抜けや大きなバルコニーが必要なら話は
全く変わってきます。
ただ、最近の多くなってきた住宅のご要望を考えると
『総二階が良い』と、それだけに固執するのもよくないのでは
ないかと思い記事を書いてみました。
ご参考になったのであれば嬉しいです。
次回記事もお楽しみに(^-^)