コロナウイルスの感染対策として日常的に換気を行うようになり

間取りを考える際にも換気や風通しを気にされる方も増えて来ました。

また、以前からエアコンに頼らない快適な家に住みたいという意見は多くの

お施主様からお聞きします。

 

換気を効率よく行う事でウイルスだけでなく花粉、PM2.5などの汚染物質

湿気を排出することが出来ますので安心して過ごすためには換気はとても重要です。

住宅の換気は大きく分けて２つの方法があります。

 

１】２４時間換気システムを正しく使う

2003年に建築基準法が改正されて２４時間換気システムの設置が義務化されました。

２４時間システムとは２時間で部屋全体の空気を入れ替える事が出来る換気システムです。

 

義務化された目的はシックハウス症候群対策です。

室内のホルムアルデヒドなどシックハウス症候群の原因となる化学物質を

外に排出し健康被害を防ぐために設置が義務化されました。

 

また、年々住宅の気密性が高まっているため換気をせずにいると結露がしやすくなり

カビやダニの発生によりアレルギーの原因になる事もあるため常に換気を行うことが

重要になっています。

 

法律で義務化され、全ての住宅に設置されている２４時間換気システムですが

外からの空気が入ってきて熱い、寒いから給気口を閉じてしまったり

誤ってスイッチをOFFにしてしまいまったく機能していないお宅も多く見かけます。

 

せっかく設置さている２４時間換気システムですので常にスイッチをONにして

正しく使用してください。

 

２】、外気の出入り口となる窓の取り付け位置や大きさ、種類を工夫する。

窓の配置や大きさ、種類を工夫することで空気の通り道を作り

効率よく換気をすることが可能です。

 

１）南北に窓を設置する

日本では一般的に春から秋にかけて南から北に向かって風が吹き

冬は北から南に向かって風が吹きます。

この自然の風を取り込むには、南北に窓を設置すると効果的です。

その場合、できれば南北の窓を対面させるとより風通しが良くなります。

 

２）２面に窓を設置する

全ての部屋に南北に窓を設定することは難しいですよね。

南北に窓を配置出来なくても部屋の二面に窓を配置する事でも効果があります。

 

部屋に一面しか窓が取れない場合は、風の入り口となる窓の開口を大きくしたり

北面の廊下などに窓を配置することで風の通り道を作る事が出来ます。

 

３)気流を利用する。

また、暖かい空気は上昇していく性質があります。室内の温度が上昇すると

上の方向に向かう気流が生まれます。この気流を利用して低い位置の窓から

冷たい風を取り入れ、高い位置の窓から暖まった空気排出することで

自然と風通しをよくすることが出来ます。

 

この手法を上手に取り入れて吹抜けや２階のホールに換気用の窓を設置すると

家全体に風の流れを作ることが出来ます。

 

４）窓を工夫する。

せっかく窓を配置しても防犯やプライバシーが気になって閉め切ってままでは意味が

ないですよね。出来れば夜間にも風通しが出来て心地良い環境で休みたいとの要望も多いです。

その場合、窓のサイズや取り付け位置を変える事により防犯性を高めることが出来ますし

最近では通風の出来るｼｬｯﾀｰ雨戸や防犯格子などもあります。

 

窓の大きさや、取り付け位置、はもちろんですが、プライバシーや防犯など

考慮することで効率よく換気が出来ます。

 

また、部屋のドアを開けて窓やドアの近くに扇風機やサーキュレーターを設置し

風の流れを作ると、より効果的に換気をすることが可能です。