確かに、最近ではお施主さんの好みを反映した、
個性的な外観の建物が増えてきましたね。
せっかく新しい家を建てるのなら、周りと同じではなく、
見た目も、こだわりのあるオンリーワンのお家を建てたいと希望されるのは
自然なことだと思います。
『希望の外観ができないから検討する建築会社を変えた』
というお客様の話もよく耳にしますよ。
ですから、建築会社の担当者によっては、
少しでもお客様に喜んでいただこうと、建物の性能やコストよりも、
お施主様の希望を優先した外観プランを提案することもあるのではないでしょうか?
どういうことかと言うと、
家の見た目のデザインを重視して行う工事や仕様の中には、
家の大事な基本的性能と相反するものもあるということです。
つまり、外観だけをあまりに優先しすぎると、
建物の性能やコストに影響がでる場合もあるのです。
そこで、ここでは外観にこだわるにあたっての留意点や、
好みの外観との両立に工夫が必要なポイントの一例を紹介します。
●土地から探す場合
まず土地からお探しの方は、
道路がどの方角についているかも大切なポイントです。
なぜかというと、まず一般的に、道路のある側の面が、
玄関になったり、一番人目に触れる面となります。
道路が南側にあれば、お家の南側はたいていリビングやお部屋が並ぶので、
大きな窓やバルコニーなど、外観を引き立てるパーツを活かすことができます。
では、北側に道路があるとどうでしょう?
当然お部屋は反対の裏側になり、
見た目で正面の北側には、水回りなどが配置されます。
窓も小さくなりますので、外観のデザインに工夫が必要です。
●太陽光発電システムは検討していますか?
建物を上から見て、凹凸のあるお家は、当然屋根の形も複雑です。
屋根の形状によっては搭載できる太陽光パネルの枚数に制限があったり、
設置コストも多くかかる場合があります。
上記のようなこと以外にも、
お家の外観だけを優先しすぎると、
安全面で不利になることもあります。
いくつか具体例をあげておきますね。
●耐震性は大丈夫ですか?
建物というのは、バランスがとても大切です。
お家も、1階と2階が同じ大きさで、
四角形の建物が一番バランスがいいと言われます。
地震に強いバランスを考えながら、
外観にこだわる必要があります。
●雨漏りは心配ないですか?
最近は夏場に大雨が降ることが多くなりましたね。
1階よりも2階が小さいような場合は、
2階が乗っていない1階部分に屋根が必要です。
その屋根と外壁のつなぎ目などは、
形状によっては雨水がたまってしまい、雨漏りの原因となりえます。
これは、太陽光パネルのところでお話しした、
複雑な屋根の形にした場合にも、
屋根と屋根の間に雨水がたまりやすくなることがあるので注意したいものです。
屋根のかけ方などで、
雨水がスムーズに流れるように工夫が必要です。
他にもまだまだお家の基本性能と外観とを両立するうえで
相反するポイントがあるんですよ。
まずは建築会社の担当者へ、
あなたの希望の外観イメージを伝えてください。
そして、外観の仕様によっては、
安全面や性能面でマイナスとなるものがあることも頭にいれながら、
工夫して、ご家族が安心して永く住まえる、愛着のわく建物を考えてみましょう。
あなただけの!外から見ても満足感からついつい笑顔になるような、
そして、住んでみるともっと満足で笑顔になれるお家を目指してください!