せっかく家を建てるなら、歳を重ねても住みやすい家に
したいものですよね。
最近は、若いご夫婦も将来の事を考え、
バリアフリーを意識して計画を進めて行く方が
増えています。
「バリアフリー対策」と一言でいっても
方法は沢山あります。
その中でも、一番メジャーな方法は
室内扉を「引き戸」にする事です。
皆さんご存知とは思いますが、
開き戸と引き戸の違いが下の図になります。
開き戸の場合、押して開けるタイプにしても
引いて開けるタイプにしても、扉の動くスペースが
引き戸に比べて圧倒的に大きい事から、出入りの際の
身体の動き方も大きくなってしまいます。
対して、引き戸の場合は扉が壁内に収まる為、
扉の開閉時の身体の動きは、最小限で抑えられます。
また、引き戸のメリットは他にもあります。
上記でもお話したように、開き戸は開閉時の扉の
動きが大きい事から、廊下などでの室内側の方が
扉を開けた際に、室外側にいた方と扉がぶつかってしまう
という事もあります。
日常生活をしていく中で、扉の開閉時に常に気を付けているのも
少し、面倒ですよね。
引き戸であれば、その点も解消されます。
また、扉が動くスペースが少なくなるという事は、
開き戸であれば置けなかった、棚等の収納スペースを設ける事も
でき、お家の中が全体的に無駄の少ないスッキリとした空間に
なってくれます。
ここまで聞くと、引き戸にする事はメリットばかりで
悪い点が一切ないようにも感じますよね。
ですが、良いところだけしか把握せずに
引き戸にする事でのデメリットを知らないと
後々、困る事もあります。
今回は引き戸にする事での、デメリットをお伝えします。
デメリット①:価格が上がる
同じ扉ではありますが、引き戸と開き戸では価格は
引き戸の方が高くなる事がほとんどです。
上の図で見て頂いても分かるように、扉を開けた時に
壁面側に扉が収まるように、扉の枠が引き戸の方が長く
なってしまうからです。
1ヶ所だけでしたら、大した上がり幅ではありませんが
家全体の扉を引き戸に変更するとなると、大きな金額差に
なってきます。
デメリット②:お家の強度がおちる
少し大げさな書き方でもありますが、
引き戸の場合ですと、何度も言いますが
扉を開ける時に壁内に扉を収める工法になります。
その為、納めるところの壁の厚みは通常の2分の1です。
この薄い壁では耐力壁としての役割は期待できません。
お家の中の壁は、単純に各部屋を間仕切るだけでなく、
お家の耐震性や強度を保つ重要な役割があります。
価格面でのお話と似てきますが、1ヶ所だけじゃなく、
全ての扉を引き戸にすると、強度上の問題も生じてきます。
デメリット③:照明スイッチが付けづらくなる
状況が、少し分かりづらいと思いますが、
各お部屋には、電気を付ける為のスイッチがありますよね。
お部屋の種類によっては、室外にあったり、室内にあったりと
様々でしょうが、基本的には扉のすぐそばにあるものです。
しかし引き戸の場合は、扉のすぐ隣の壁は扉を収める為に
薄い壁になっている事から、その壁面にはスイッチを付ける事は
出来ません。
引き戸の幅や間取りによっては、扉から少し離れたところに
スイッチを付けざる負えない場合があります。
今までの住まいでは、扉のすぐ近くにスイッチがあったのに
新しい住まいでは、当たり前の部分が変わってしまい、
少しの変化がとても気になってしまう方も少なくありません。
住みやすさや、バリアフリーを意識してお家を建てたのに
思わぬところで「不便」なところが発生してしまった。
という事がないように、目先の使いやすさ、住みやすさ
だけでなく、総合的なところを住宅メーカーさんと打合せをして
後悔のないマイホームを取得されて下さい。