モデルハウスで聞いた坪単価って、実際に建てる建物の坪単価の参考に
ならないって聞いたんだけど、ほんとう・・・?
モデルハウスで聞いた坪単価で予想して、見積もりを依頼したんだけど
なんでこんなに高くなるんでしょうか?
新築を検討し始めると、モデルハウスへ出かけて
お気に入りの建物の坪単価などを聞いて、メーカー選びの参考にするのが
定番ですよね。
でも聞くのと実際に見積もりをとって出てきた金額との
大きな違いにびっくりされる方も多いようです。
そこで今回は、モデルハウスで説明される坪単価と
実際見積もりででてくる坪単価の違いについて、
お話をしてみたいと思います。
そもそも『 坪単価 』とは・・・・
初めてマイホームを計画されて、雑誌やカタログでよく見る
~坪 という表記で書かれている建物の大きさを表す単位で
建物の金額をこの坪数で割ったものが 『 坪単価 』 となります。
同じく大きさを表す単位に 『 ㎡ 』 がありますが、
○○㎡に 0.3025 をかけたものが○○坪となります。
例えば、120㎡の建物は× 0.3025 で36.3坪というように計算します。
さて、本題にはいりたいと思います。
モデルハウスを見学し、その建物の坪単価を尋ねます。
その坪単価に、自分の建てたいマイホームの坪数をかけて
予算に入るかどうかの判断をするのが、一般的ですよね。
モデルハウスの坪単価が60万円として
35坪のマイホームを計画していたら
建物の本体金額は2100万円・・・
これなら予算内かも・・・・と商談を開始・・・・
しかしこれが大きな落とし穴なんです。
プランを依頼し、気に入った間取りが完成、
あとは、見積で予算を確認するだけ・・・と思っていたら
出てきた見積は、なんと2450万円。
多少の希望は言ったけど、坪単価が70万円に跳ね上がるとは
いったいどういうこと!? 営業マンのうそつき~!
若い、真面目そうな営業マンだったから信頼して頼んだのにと
裏切られた気持ちでいっぱいに・・・・・・
果たして若い営業担当は嘘をついていたのでしょうか?
答えは NO です。
モデルハウスのオプション設備や仕様は別として
モデルハウスは間違いなく坪単価60万円で出来ていました。
じゃあ何故、見積が坪10万円も上がってしまったのか・・・・
謎解きはモデルハウスの大きさにあります。
見積を依頼したメーカーのモデルハウスは72坪あったんです。
モデルハウスの間取りは
4人家族を想定したゆったりした空間構成でLDKは30帖、
10帖大の大きな吹き抜けもあり、寝室・子供部屋も広々設計、
建物の坪数の大部分を居住空間が占めています。
しかし単世帯なので、キッチン・洗面・浴室は一ヵ所、
おトイレが1・2階にある程度で、
水回りが建物全体に占める割合は、8~9%とごく僅かです。
この水回りが占める割合が坪単価を考える上で
重要な注意点となります。
希望の間取りを設計し、建物の全体面積が減っても
同じ単世帯で考えるなら、水回りは当然同じだけ必要となります。
35坪の建物で同じ水回りの占める割合は17~18%となり
72坪の家の2倍以上となります。
ここで考えていただきたいんです。
キッチンや洗面化粧台、お風呂・トイレなどの
設備機器が置かれている空間と
リビングや吹き抜けの空間との違いを・・・・
おんなじ一坪でもどちらの空間がお金がかかっているでしょうか?
設備代・給水工事・排水工事・給湯工事・電気工事などが伴う
水回りがある空間の坪単価がはるかに高くなるんです。
つまり・・・
全体建物から水回りが占める割合が大きくなればなるほど
坪単価は高くなっていくということなんです。
一般的に同じ設備仕様の住宅なら坪数が少なくなればなるほど
坪単価はあがるんですね。
モデルハウスを見学された際、営業担当が
ここを注意して、モデルハウスの坪単価の説明をしていれば、
見積提出の場面で、こんな行き違いはなかったことでしょう。
モデルハウスで坪単価を尋ねる時は
『 ○○坪の家を建てるとしたら、坪単価はいくら位?』
という尋ね方をして下さい。
そんなに的外れな答えは返ってこないはずです。
坪単価を計算する基準となるのは、
外郭形状や、1階・2階の大きさなど
メーカーによって色々なチェック項目を設けていますので
間違いのない坪単価をモデルハウスの見学時に知ることは
ほぼ不可能ですが
この聞き方で参考となる程度の坪単価を知ることが
出来ると思います。
モデルハウスで坪単価の質問をする際は、実際の建物に置き換えて
説明をうけるようにしましょう。